北海道らしい美しい景色が連なる富良野市郊外。雄大な田園地帯を背景にシャープなタイル張りの外観を持つA邸が完成したのは、2019年12月のことでした。
Aさんご夫妻は、ご主人の実家の農業を継承することを見据え、ご両親と同居するための2世帯住宅の建築を検討されていました。たまたまご主人が当社の営業担当者と高校の同級生であったご縁から、マイホームづくりのご相談をいただきました。「他にも何社か打診したのですが、クワザワさんは壁の角を丸く仕上げた内装の特徴が気に入りました。また、タイル住宅に強いところにも魅力に感じ、家づくりをお願いすることにしました」とご主人は言います。
当時、建築関係の仕事をされていたご主人が描いた、「こんな家にしたい」という図面をもとにプランをつくっていきました。2世帯同居であることから、それぞれの世帯のライフスタイルや暮らしやすさを具体的にイメージ。1階のご両親の居住エリアは、玄関ホールから水回り、居室、リビング・ダイニング・キッチンまでぐるりと回遊できる、シンプルで使いやすい間取りにしました。また、Aさんご家族が暮らす2階は、なるべく壁や扉を設けず、開放感のあるレイアウトをめざしました。ご主人の豊富なアイデアやリクエストを取り入れ、3世代が暮らす理想の住まいが出来上がりました。
1階の親世帯と2階の子世帯は階段で行き来ができるようになっています。それぞれの生活を尊重しながら、いつでも顔を合わせることができるつながりを大切にしました。また、以前の家は非常に寒かったそうですが、今は家全体がとても暖かく、お母様は「快適すぎてずっと家にいたいくらい」と笑います。メインの玄関とは別に設けたサブ玄関(勝手口)の横には、お父様の要望で書斎を設けました。
Aさんご家族の居住エリアには、3人のお子さんが伸びやかに生活できるように、リビング・ダイニング・キッチンと家族の個室との間に広いプレイスペースを設けました。リビングとの境にはテレビを設置するための幅約1.8mの壁を設け、オープンになった両サイドから行き来できるようになっています。お子さんの想像力を育む木製のおもちゃや、奥様が趣味で集めたというドールハウスのコレクションなどが飾られ、ワクワクする楽しさにあふれています。
2人の息子さんが使っている子ども部屋は、中央で仕切って個室にできるようになっています。また、将来的には、プレイスペースの一角を区切り、一番下のお嬢さんの部屋をつくる予定なのだそう。お子さんが小さいときは家族のコミュニケーションを大切に、成長に合わせて自立を促す間取りに変えるという可変性のある空間設計もご主人のアイデアでした。
DIYが得意で、ちょっとしたリフォームなら自分でしてしまうというご主人。お子さんの成長や暮らしの変化に合わせ、住まいもフレキシブルに変えていくことで、ずっと快適な暮らしを続けられていきます。